朝晩が冷えてくると、そろそろ冬の準備が気になりますよね。でも「タイヤはいつ替える?」「ほかに何をしておけばいい?」と、何から手をつければいいか迷う方も多いはずです。この記事では、自動車ディーラー歴19年(営業15年・現在はサービスフロント)のごんたが、JAFやタイヤメーカーなどの公開情報をもとに、冬が来る前にやっておきたい車の準備7つを、やる順番とあわせてまとめました。
- スタッドレスは初雪の約1か月前が目安(タイヤメーカー3社)
- JAFの出動理由1位はバッテリー上がり(2025年度は全体の約43%)
- ウォッシャー液はラベルの凍結温度で選び、冷却水は整備工場などで濃度を点検してもらう
- 雪で車が埋まったら、エンジンを止めてマフラーまわりを除雪

ねえごんた、最近朝が寒くなってきたけど、車の冬支度って何をすればいいの? タイヤだけ替えればいい?

タイヤも大事だけど、それだけじゃないんだ。冬はバッテリーが弱ったり、ウォッシャー液が凍ったり、トラブルが一気に増えるんだよ。

えっ、ウォッシャー液って凍るの?

普通の水を入れてたら凍るよ。今日は、冬が来る前にやっておくことを7つ、やる順番で説明するね。
💡 結論|冬の準備は、地域の初雪予想の約1か月前から

先に結論です。冬の準備は、住んでいる地域や出かける地域の初雪予想を確認し、その約1か月前から始めるのがおすすめです。タイヤ交換の店は、雪が降ってから一気に混みます。早めに動けば、待ち時間も少なく、落ち着いて点検してもらえます。
| 準備すること | いつまでに | 自分でできる? |
|---|---|---|
| スタッドレスタイヤ | 初雪の約1か月前 | 店に頼むのが安心 |
| バッテリーの点検 | 寒くなる前 | 点検は店で(数分) |
| 冬用ワイパー(雪の多い地域・雪国へ出かける人) | 雪の前 | 自分で交換できる |
| 寒冷地用ウォッシャー液 | 最低気温が0℃を下回る前 | 自分で入れられる |
| 冷却水(不凍液)の濃度 | 寒くなる前 | 店で点検してもらう |
| 凍結対策グッズ | 霜が降りる前 | 自分で用意できる |
| 車に積んでおくもの | 雪の前 | 自分で用意できる |

7つもあるんだね。全部いっぺんにやるのは大変そう…。

タイヤ交換のときに、バッテリーと冷却水の点検も一緒に頼めば、店に行くのは1回で済むよ。ワイパーとウォッシャー液は、自分でもできるしね。
🔧 冬が来る前にやっておく車の準備7つ
① スタッドレスタイヤは「初雪の約1か月前」に
ブリヂストン・ダンロップ・ヨコハマの3社とも、初雪の約1か月前の履き替えをすすめています。ブリヂストンは、最低気温が3℃以下になると、雪の降らない地域でも路面が凍ることがあると説明しています。
去年のスタッドレスを使う場合は、溝を確認しましょう。スタッドレスは、溝が新品のときの半分まで減ると、冬用タイヤとしては使えません。タイヤの側面にある矢印の先の溝に「プラットホーム」という目印があり、これが出ていたら交換の合図です。溝が残っていても、スタッドレスはゴムが古くなって硬くなると、氷の上で効きにくくなります。シーズン前に、溝とあわせてゴムの硬さも店で点検してもらいましょう。
🫵 去年のスタッドレスがまだ使えるか迷っている方はこちらも
② バッテリーは寒くなる前に点検
JAFの2025年度のデータでは、ロードサービスの出動理由の1位はバッテリー上がりで、全体の約43%(99万件以上)でした。年末年始の一般道路でも、出動の約42%がバッテリー上がりです。
寒くなるとバッテリーの中の化学反応が鈍くなり、性能が落ちます。冬はライトやヒーターファン、リヤデフォッガーなど、電気を使う装備の使用が増えます。使い始めて3年以上たっていることは、点検を受ける目安の一つです。タイヤ交換のついでに、点検してもらうと安心です。
※ジャンプスターターを選ぶときは、適合車種・対応排気量・接続方法を必ず確認してください。EVやハイブリッド車は救援方法が異なる場合があるので、取扱説明書を確認しましょう。
🫵 バッテリーの交換時期の目安はこちら
③ 雪の多い地域なら、ワイパーを冬用に
雪の多い地域に住んでいる方や、冬に雪国へ出かける方は、冬用ワイパーへの交換を考えましょう。冬用ワイパーは、ワイパー全体がゴムのカバーで覆われていて、雪や氷が入り込みにくい作りになっています。普通のワイパーよりも、凍って動かなくなるのを防ぎやすくなります。
凍ったままのワイパーを動かすと、ゴムが切れたり、ワイパーを動かすモーターに負担がかかったりします。氷を溶かしてから動かすのが基本です。夜のうちにワイパーを立てておくと、ガラスに張り付くのを防ぎやすくなります。ただし、車種によっては、ワイパーを所定の位置まで動かしてからでないと立てられません。取扱説明書を確認してください。
🫵 ワイパーゴムの交換時期と費用はこちら
④ ウォッシャー液は「寒冷地用」に入れ替える
JAFは、冬の凍結と腐敗を防ぐため、ウォッシャー液は専用の液を使うようにすすめています。水道水だけを入れていると、寒い朝に凍って出なくなります。
寒冷地用のウォッシャー液は、商品によって凍らない温度が違います。ボトルのラベルに書かれた凍結温度を見て、住んでいる地域の最低気温より低いものを選びましょう。水で薄めると凍る温度が上がるので、寒い地域では原液か、ラベルの表どおりの濃さで使います。
⑤ 冷却水(不凍液)の濃度を点検してもらう
エンジンを冷やす冷却水は、凍りにくい液(LLC)を水で薄めて使っています。JAFによると、冷却水が凍ると体積が増えて、ラジエーターやエンジンの破損につながります。
濃さが足りないと凍りやすくなり、濃すぎても性能が落ちます。ちょうどいい濃さは地域の気温と商品で変わるので、自分で足すより、タイヤ交換や点検のときに店で測ってもらうのが確実です。
⑥ 凍結対策のグッズを用意する
朝のフロントガラスの凍結には、JAFの検証でフロントガラスのカバーがもっとも効果がありました。凍ってしまったときは、お湯ではなく、車用の解氷スプレーを使います。お湯をかけると、温度差でガラスが割れたり、溶けた水がすぐまた凍ったりするおそれがあります。
🫵 凍ったフロントガラスの安全な溶かし方は、こちらで詳しく解説しています
⑦ 雪の前に、車に積んでおくもの
JAFは、雪道を走る前の準備として、タイヤチェーン、ブースターケーブル、スコップ、手袋や長靴、懐中電灯、スクレーパー、解氷スプレー、けん引ロープ、毛布などをあげています。タイヤチェーンはタイヤサイズに合う製品を選び、雪が降る前に一度、装着の練習をしておきましょう。大雪で立ち往生したときに備えて、携帯トイレや水・食料も、人数や移動時間に合わせて準備しておくと安心です。

スコップまで? 雪国じゃなくても要るの?

大雪で動けなくなったときに、いちばん怖いのが一酸化炭素中毒なんだ。ガソリン車などでエンジンをかけているときに、マフラーが雪でふさがると、排気ガスが車の中に入ってくることがあるんだ。スコップがあれば、マフラーのまわりの雪をどけられるよ。
🚨 雪で車が埋まったら|一酸化炭素中毒に注意
JAFが、マフラー周辺まで雪に埋もれたガソリン車でエンジンをかけて検証したところ、車内の一酸化炭素濃度は1分24秒で50ppm(警報が鳴る値)に達しました。その後、測れる上限を超える濃さになっています。
- まず道路管理者や警察、JAFなどへ救援を要請する
- ガソリン車などでエンジンをかける場合は、マフラー周辺をこまめに除雪する
- マフラー周辺の除雪を続けられない場合は、エンジンを止めて防寒着や毛布で寒さをしのぐ
- 窓を少し開けるだけでは安全とは限らないため、換気だけに頼らない
- 体調に異変を感じたら、すぐにエンジンを止め、可能なら車外の安全な場所へ避難する
📊 冬の道路の決まりと、タイヤによる止まりやすさの違い
積雪・凍結した道路では、都道府県の道路交通規則により、冬用タイヤやチェーンなどの滑り止め措置が求められます。違反時の扱いは地域や車種によって異なるため、走行地域の警察や道路管理者の公式情報を確認してください。
大雪時には、国土交通省が公表する対象区間で、スタッドレスタイヤ装着車でもタイヤチェーンが必要になる場合があります。出発前に国土交通省や道路管理者の最新情報を確認してください。
| JAFのテスト(時速40kmから急ブレーキ) | ノーマルタイヤ | スタッドレスタイヤ |
|---|---|---|
| 圧雪路 | 29.9m | 17.3m |
| 氷盤路(凍った路面) | 105.4m | 78.5m |
JAFの検証では、圧雪路でノーマルタイヤの制動距離はスタッドレスタイヤの約1.7倍でした。氷盤路ではどちらも制動距離が長くなり、スタッドレスタイヤでも過信できません。
※2017年2月に北海道士別市でJAFが行ったテスト(止まるまでの距離)の結果です。気温や路面、タイヤの状態によって結果は変わります。

雪道だと、ノーマルタイヤはこんなに止まれないんだね…。凍った道だと、スタッドレスでも長いんだ。

そう。だから「雪が降ったら替えればいい」じゃなくて、降る前に替えておくのが大事なんだ。スタッドレスでも、凍った道ではスピードを控えめにね。
🏎️ タイプ別まとめ:あなたがやっておくべき準備は?
- 雪が多い地域に住んでいる → 7つ全部(特にスタッドレス・冷却水・積んでおくもの)
- 雪はたまにしか降らない都市部 → バッテリー点検・ウォッシャー液・凍結対策。雪の予報が出たら車に乗らない選択も
- 冬にスキーや雪国へ出かける → スタッドレスタイヤを基本に、必要に応じてタイヤチェーンも用意。チェーン規制区間と最新の道路情報も確認
- 短い距離しか乗らない・バッテリーが3年以上 → バッテリーの点検を最優先

うちは雪はあんまり降らないから、まずはバッテリーとウォッシャー液かな。

それでいいと思う。年末に出かける予定があるなら、行き先の天気と道路の情報も早めに見ておこうね。
🚨 よくある質問

Q1. スタッドレスタイヤって、何年くらい使えるの?

A. 何年と決まっているわけじゃないんだ。溝が新品の半分まで減ったら冬用としては使えないし、溝が残っていても、ゴムが硬くなると氷の上で効きにくくなる。現場では3〜4シーズンくらいで替える人が多いかな。毎年シーズン前に、溝とゴムの硬さを店で見てもらうと安心だよ。

Q2. 雪がほとんど降らない地域でも、スタッドレスは要る?

A. 雪の日に車に乗らないなら、無理に買わなくてもいいと思う。ただ、最低気温が3℃以下になると、雪がなくても路面が凍ることがあるんだ。冬の朝早くに乗ることが多いなら、検討してみてね。

Q3. オールシーズンタイヤでも大丈夫?

A. 雪の結晶のマーク(スノーフレークマーク)が付いたオールシーズンタイヤなら、高速道路などの「冬用タイヤ規制」でも走れるよ。でも、JAFのテストでは、雪や氷の上で止まるまでの距離はスタッドレスより長かった。それに、チェーン規制の区間ではチェーンが必要なのは同じなんだ。
🏁 まとめ|冬の準備は、雪が降る前にまとめて
冬が来る前の車の準備は、タイヤ・バッテリー・ワイパー・ウォッシャー液・冷却水・凍結対策・積んでおくものの7つです。タイヤ交換のときにバッテリーと冷却水の点検も頼めば、店に行くのは1回で済みます。
- 🏁 スタッドレスは初雪の約1か月前。溝が半分まで減っていたら交換
- 🏁 バッテリー上がりはJAFの出動理由の1位。寒くなる前に点検
- 🏁 ウォッシャー液はラベルの凍結温度を確認。冷却水は整備工場などで濃度を点検してもらう
- 🚨 雪で埋まったら、マフラーまわりの除雪。できなければエンジンを止める
🫵 春になって、夏タイヤに戻す時期の目安はこちら
📋 参考にした公式情報
この記事のタイヤ・バッテリー・凍結対策などの情報は、2026年10月時点で以下を確認しています。
- ブリヂストン スタッドレスタイヤの履き替え時期
- ブリヂストン BLIZZAK よくある質問
- ヨコハマタイヤ よくある質問(タイヤの使用年数)
- JAF ロードサービス救援データ(出動理由)
- JAF クルマの疑問(雪道を走る前の準備)
- JAF 冷却水のセルフチェック
- JAFユーザーテスト(雪道でのノーマルタイヤ)
- JAFユーザーテスト「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!」
- JAFユーザーテスト(雪に埋まった車の車内環境)
- 国土交通省 チェーン規制
- 警察庁 雪道の運転
- ダンロップ スタッドレスタイヤ 履き替えカレンダー
- ヨコハマタイヤ スタッドレスタイヤ 履き替えカレンダー
- JAF Mate バッテリー上がり(気温が低い冬場は要注意)
- JAF 雪道・アイスバーンでの運転の注意点

ありがとう! 今週末、タイヤ交換の予約を入れてみるね。

うん。予約のときに「バッテリーと冷却水も見てください」って一言そえておくといいよ。

ドモヨロシック!






